A1100とA1050の違いをやさしく解説:純アルミ同士の使い分け
「純アルミ」と呼ばれる1000系アルミ合金の中で、A1050とA1100は最もよく使われるグレードです。どちらも99%以上がアルミですが、純度と特性に微妙な差があります。この記事で1000系アルミの選び方をやさしく解説します。
1000系アルミ合金とは
1000系の特徴: Al純度99%以上の「純アルミ」系列です。合金元素がほとんどないため強度は低いですが、電気伝導性・熱伝導性・成形性・耐食性・溶接性がアルミ合金の中で最も優れます。導体・反射材・化学工業容器に使われます。
1000系グレード一覧
| 記号 | Al純度 | Si+Fe上限 (%) | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| A1085 | ≧99.85% | 0.12 | 最高純度・電解コンデンサ箔 |
| A1080 | ≧99.80% | 0.15 | 高純度・反射材・電解箔 |
| A1050 | ≧99.50% | 0.40 | 汎用純アルミ・成形性重視 |
| A1100 | ≧99.00% | 0.95 | やや強度高め・加工用途 |
| A1200 | ≧99.00% | 1.00 | 押出・鍛造用途 |
A1050 vs A1100 成分比較
| 元素 | A1050 | A1100 | 影響 |
|---|---|---|---|
| Al (%) | ≧99.50 | ≧99.00 | 純度が高いほど軟らかく導電性高い |
| Si (%) | ≦0.25 | ≦1.00 | 強度補助・固溶強化 |
| Fe (%) | ≦0.40 | ≦0.95 | 強度補助・晶出物形成 |
| Cu (%) | ≦0.05 | 0.05〜0.20 | A1100は微量Cu添加 |
機械的性質比較(O材)
| 合金・調質 | 引張強さ (N/mm²) | 耐力 (N/mm²) | 伸び (%) | 電気伝導率(%IACS) |
|---|---|---|---|---|
| A1050-O | 55〜95 | ≧15 | ≧25 | 約61 |
| A1100-O | 75〜105 | ≧25 | ≧25 | 約57 |
| A5052-O(参考) | 175〜215 | ≧65 | ≧25 | 約35 |
電気伝導率・熱伝導率比較
用途別カード
電解コンデンサ箔(A1050・A1080)
高純度が必要な電解コンデンサのアルミ箔。純度が高いほど酸化皮膜が均一で容量が安定します。
反射材・照明部品(A1050)
反射率はAl純度に比例します。照明反射板・太陽光集熱鏡などに高純度A1050が使われます。
導電材・バスバー(A1100)
電気伝導性重視の配電バスバー・アース板。A1100は適度な強度と高い導電率を両立します。
化学工業容器・配管(A1050)
薬品・有機溶剤を扱う容器・配管。高純度ほど耐薬品性が高い。食品用途にも適します。
深絞り・成形品(A1100)
A1100はA1050よりやや硬く張り強さがあるため、深絞り容器・ボトルキャップの成形に向きます。
まとめ:A1100とA1050で押さえておきたいこと
- 1000系はAl純度99%以上の純アルミで、電気・熱伝導性・耐食性・成形性が最高クラスです。
- A1050(純度≧99.50%)はより純度が高く、反射材・電解箔・化学容器の高純度用途向きです。
- A1100(純度≧99.00%)は微量Cu添加でやや強度が高く、深絞り成形・導電材・バスバー向きです。
- 強度が必要な場合はA5052以上の合金系を選びます。1000系は強度より特性優先の用途に使います。
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