A2017(ジュラルミン)とA2024の違いをやさしく解説
「ジュラルミン」という言葉を聞いたことはありませんか? ブリーフケースや航空機材料として有名な2000系アルミ合金の代名詞です。A2017(ジュラルミン)とA2024(超ジュラルミン)は何が違うのか、やさしく解説します。
2000系アルミ合金の特徴
2000系はCu(銅)が主合金元素: Cuを添加したAl-Cu系合金で、時効硬化(T4・T6処理)により高強度が得られます。欠点は耐食性がアルミ合金の中で低い点で、表面にアルクラッド(純アルミ被覆)処理を施した板材も多く使われます。
化学成分比較(JIS H 4000)
| 元素 | A2017(ジュラルミン) | A2024(超ジュラルミン) | 役割 |
|---|---|---|---|
| Cu (%) | 3.5〜4.5 | 3.8〜4.9 | 時効硬化の主元素 |
| Mg (%) | 0.40〜0.80 | 1.2〜1.8 | 強度補助(2024は多め) |
| Mn (%) | 0.40〜1.00 | 0.30〜0.90 | 強度補助・耐食性 |
| Si (%) | 0.20〜0.80 | ≦0.50 | 強度補助 |
機械的性質比較
| 合金・調質 | 引張強さ (N/mm²) | 耐力 (N/mm²) | 伸び (%) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| A2017-T4 | ≧390 | ≧245 | ≧15 | 自然時効処理。ジュラルミン標準 |
| A2024-T3 | ≧440 | ≧290 | ≧15 | 固溶化処理後冷間加工。超ジュラルミン |
| A2024-T4 | ≧425 | ≧275 | ≧15 | 自然時効。やや高強度 |
A2017 vs A2024 強度比較
耐食性と用途の注意点
| 項目 | A2017 | A2024 |
|---|---|---|
| 耐食性 | 低い(Cu多い) | 低い(Cu・Mg多い) |
| 溶接性 | 困難 | 困難 |
| 被削性 | 良好(アルミ中でも優秀) | 良好 |
| アルクラッド | 板材に適用される場合あり | 板材に適用される場合あり |
JIS・海外規格対応表
| JIS | ASTM/AA | EN | 別称 |
|---|---|---|---|
| A2017 | 2017 | EN AW-2017 | ジュラルミン(Duralumin) |
| A2024 | 2024 | EN AW-2024 | 超ジュラルミン(SD) |
用途別カード
精密切削部品(A2017)
旋盤・マシニングで大量に削る部品。被削性が良くバリが少ない。鋲・ねじ・スリーブに多用されます。
ブリーフケース・カメラボディ(A2017)
軽量・高強度・良好な外観が必要な民生品。アルミ感のある高級感のある仕上がりになります。
航空機構造材(A2024)
翼外皮・胴体構造。A2017より高いMg量で強度・疲労特性が向上し航空機主構造に使われます。
高強度機械部品(A2024)
高い比強度が必要な機械部品・レース用部品。A7075より溶接性は同等に困難ですがコスト差があります。
まとめ:A2017とA2024で押さえておきたいこと
- どちらもCu添加の2000系(Al-Cu系)アルミ合金で、時効硬化で高強度を得ます。
- A2017(ジュラルミン)はMg少なめで切削性に優れ、精密部品・民生品に向きます。
- A2024(超ジュラルミン)はMg多めで強度・疲労特性が高く、航空機構造材の定番です。
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