SUJ2とは? 軸受鋼の特徴と用途をやさしく解説
ベアリング(転がり軸受)の玉やレースに使われている材料を知っていますか? 答えはSUJ2です。高炭素・高クロムという特殊な成分設計により、ベアリングから金型ガイドまで幅広く使われます。この記事ではSUJ2の規格・成分・熱処理・硬さ・用途をやさしく解説します。
SUJ2の規格記号はどう読む?
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| S | Steel(鋼) |
| U | Uケイ鋼(軸受鋼の意) |
| J | JIS の頭文字 |
| 2 | グレード番号(Cr量による区分) |
SUJ2はJIS G 4805「高炭素クロム軸受鋼鋼材」で規定されます。JIS規格の軸受鋼はSUJ1〜SUJ5まであり、SUJ2が最も広く使われる標準グレードです。
SUJ2の化学成分
ポイント: SUJ2は炭素量が0.95〜1.10%と非常に高いのが特徴です。この高炭素量により、焼入れ後に炭化物(クロム炭化物)が生成し、極めて高い硬さと耐摩耗性を実現します。
| 元素 | C | Si | Mn | Cr | P | S |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 含有量 (%) | 0.95〜1.10 | 0.15〜0.35 | 0.50以下 | 1.30〜1.60 | ≦0.025 | ≦0.025 |
熱処理と硬さ
| 状態 | 硬さ | 備考 |
|---|---|---|
| 焼なまし(素材) | ≦229 HB | 球状化焼なましで軟化させた状態 |
| 焼入れ・低温焼戻し後 | HRC 60〜65 | 軸受用途の標準的な硬さ域 |
| 安定化処理後 | HRC 58〜62 | 寸法安定性向上(精密用途) |
SUJ2の硬さと用途グループ比較
SUJ グレード比較
| グレード | C (%) | Cr (%) | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| SUJ1 | 0.95〜1.10 | 0.90〜1.20 | 低Cr・標準品 | 一般軸受 |
| SUJ2 | 0.95〜1.10 | 1.30〜1.60 | 最汎用・バランス型 | 転がり軸受全般 |
| SUJ3 | 0.95〜1.10 | 0.90〜1.20 | Si増量・高温性能向上 | やや高温の軸受 |
| SUJ5 | 0.95〜1.10 | 1.30〜1.60 | Mo添加・衝撃性向上 | 衝撃環境の軸受 |
JIS・海外規格対応表
| JIS | ASTM/SAE | EN | ISO |
|---|---|---|---|
| SUJ2 | 52100 | 100Cr6 | 683-17 Type 1 |
用途別カード
転がり軸受(ベアリング)
玉・ローラー・軌道輪すべてにSUJ2が使われます。世界で最も大量に消費される軸受鋼です。
金型ガイドピン・ブッシュ
プレス金型のガイドピンとブッシュ。HRC 60以上の硬さで長寿命を実現します。
精密ゲージ類
スナップゲージ・リングゲージのゲージ面。寸法安定性が求められるため安定化処理も行います。
リニアシャフト・スライドレール
高精度直動案内のシャフト・レール。耐摩耗性が高く繰り返し荷重に強い特性を活かします。
まとめ:SUJ2で押さえておきたいこと
- SUJ2はJIS G 4805の高炭素クロム軸受鋼で、炭素量0.95〜1.10%・クロム1.30〜1.60%が特徴です。
- 焼入れ・低温焼戻し後にHRC 60〜65の極高硬度が得られ、耐摩耗性が非常に高いです。
- 転がり軸受の玉・レースだけでなく、金型ガイドピン・精密ゲージ・リニアシャフトにも使われます。
- 海外規格ではASTM 52100・EN 100Cr6が対応します。
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