純アルミとアルミ合金の違いをやさしく解説:1000系と5000・6000系の考え方
「アルミ」と一口に言っても、純アルミ(1000系)とアルミ合金(2000〜7000系)では性質が大きく異なります。「何を足すか」で強度・加工性・耐食性が変わります。この記事でアルミ合金系統の全体像をやさしく解説します。
アルミ合金の系統分類
純アルミ(1000系)とアルミ合金の性質差
| 性質 | 純アルミ(A1050) | Al-Mg系(A5052) | Al-Mg-Si系(A6061-T6) | Al-Zn-Mg系(A7075-T6) |
|---|---|---|---|---|
| 引張強さ (N/mm²) | 55〜95 | 215〜265 | ≧260 | ≧525 |
| 電気伝導率 (%IACS) | 約61 | 約35 | 約43 | 約33 |
| 耐食性 | 最高 | 高い | 良好 | 低い |
| 溶接性 | 容易 | 良好 | 可能 | 困難 |
| 熱処理硬化 | 不可 | 不可 | 可(T6で高強度) | 可(T6で最高強度) |
強度の系統別比較
熱処理型 vs 非熱処理型: 2000・6000・7000系は時効硬化(T6処理等)で強度を高められる「熱処理型」。1000・3000・5000系は熱処理で強度を変えられない「非熱処理型」で、加工硬化(H調質)で強度を調整します。
アルミ合金の比強度(強度÷密度)
アルミの最大の利点は軽さです。密度は約2.7 g/cm³で鉄(7.9 g/cm³)の約1/3。A7075-T6の比強度(引張強さ÷密度)は約194 MPa·cm³/gで、多くの鋼材より高くなります。
| 材料 | 引張強さ (N/mm²) | 密度 (g/cm³) | 比強度(概算) |
|---|---|---|---|
| SS400 | 400〜510 | 7.85 | 約55 |
| S45C(焼入れ) | 900〜1200 | 7.85 | 約127 |
| A5052-H32 | 215〜265 | 2.68 | 約89 |
| A6061-T6 | ≧260 | 2.70 | 約96 |
| A7075-T6 | ≧525 | 2.80 | 約188 |
用途別カード
電気・化学用途(1000系)
導電材・反射板・化学容器。純度が高いほど導電性・耐薬品性が優れます。
板金・船舶(5000系)
耐海水性と溶接性が必要な板金・船体。A5052・A5083が代表グレードです。
押出形材・構造(6000系)
サッシ・ドア枠・機械フレーム。A6063(押出)・A6061(構造)が定番です。
航空・高強度(7000系)
航空機・自転車・スポーツ器具。A7075-T6がアルミ最高強度グレードです。
まとめ:純アルミとアルミ合金で押さえておきたいこと
- 純アルミ(1000系)は導電性・耐食性・成形性が最高ですが強度は最低です。
- 合金元素を加えることで強度を高めますが、電気伝導率・耐食性・溶接性はトレードオフで低下します。
- 5000系(Al-Mg)は非熱処理で耐海水性が高く、6000系(Al-Mg-Si)は時効硬化で構造材に、7000系(Al-Zn-Mg)は最高強度です。
- 「何を優先するか」で系統を決め、そのうえで個別グレードを選ぶのがアルミ選定の基本です。
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