純アルミとアルミ合金の違いをやさしく解説:1000系と5000・6000系の考え方

純アルミとアルミ合金の違いをやさしく解説:1000系と5000・6000系の考え方

「アルミ」と一口に言っても、純アルミ(1000系)とアルミ合金(2000〜7000系)では性質が大きく異なります。「何を足すか」で強度・加工性・耐食性が変わります。この記事でアルミ合金系統の全体像をやさしく解説します。

アルミ合金の系統分類

1000 純アルミ 99%以上 導電・反射 耐食容器 2000 Al-Cu系 ジュラルミン 高強度 航空機 3000 Al-Mn系 非熱処理型 缶材・屋根 日用品 5000 Al-Mg系 非熱処理型 船舶・板金 耐海水性 6000 Al-Mg-Si系 熱処理型 押出形材 構造・サッシ 7000 Al-Zn-Mg系 熱処理型 最高強度 航空宇宙 よく使われる系

純アルミ(1000系)とアルミ合金の性質差

性質純アルミ(A1050)Al-Mg系(A5052)Al-Mg-Si系(A6061-T6)Al-Zn-Mg系(A7075-T6)
引張強さ (N/mm²)55〜95215〜265≧260≧525
電気伝導率 (%IACS)約61約35約43約33
耐食性最高高い良好低い
溶接性容易良好可能困難
熱処理硬化不可不可可(T6で高強度)可(T6で最高強度)

強度の系統別比較

熱処理型 vs 非熱処理型: 2000・6000・7000系は時効硬化(T6処理等)で強度を高められる「熱処理型」。1000・3000・5000系は熱処理で強度を変えられない「非熱処理型」で、加工硬化(H調質)で強度を調整します。

アルミ合金の比強度(強度÷密度)

アルミの最大の利点は軽さです。密度は約2.7 g/cm³で鉄(7.9 g/cm³)の約1/3。A7075-T6の比強度(引張強さ÷密度)は約194 MPa·cm³/gで、多くの鋼材より高くなります。

材料引張強さ (N/mm²)密度 (g/cm³)比強度(概算)
SS400400〜5107.85約55
S45C(焼入れ)900〜12007.85約127
A5052-H32215〜2652.68約89
A6061-T6≧2602.70約96
A7075-T6≧5252.80約188

用途別カード

電気・化学用途(1000系)

導電材・反射板・化学容器。純度が高いほど導電性・耐薬品性が優れます。

板金・船舶(5000系)

耐海水性と溶接性が必要な板金・船体。A5052・A5083が代表グレードです。

押出形材・構造(6000系)

サッシ・ドア枠・機械フレーム。A6063(押出)・A6061(構造)が定番です。

航空・高強度(7000系)

航空機・自転車・スポーツ器具。A7075-T6がアルミ最高強度グレードです。

まとめ:純アルミとアルミ合金で押さえておきたいこと

  • 純アルミ(1000系)は導電性・耐食性・成形性が最高ですが強度は最低です。
  • 合金元素を加えることで強度を高めますが、電気伝導率・耐食性・溶接性はトレードオフで低下します。
  • 5000系(Al-Mg)は非熱処理で耐海水性が高く、6000系(Al-Mg-Si)は時効硬化で構造材に、7000系(Al-Zn-Mg)は最高強度です。
  • 「何を優先するか」で系統を決め、そのうえで個別グレードを選ぶのがアルミ選定の基本です。

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