真鍮と青銅の違いをやさしく解説:亜鉛か錫かで変わる銅合金の性質

真鍮と青銅の違いをやさしく解説:亜鉛か錫かで変わる銅合金の性質

「真鍮」と「青銅」はどちらも銅合金ですが、何が違うのでしょうか? 答えは添加する金属の種類です。真鍮は銅+亜鉛、青銅は銅+錫が基本です。この違いが色・強度・耐食性・用途を大きく変えます。

銅合金の分類:添加元素で名前が変わる

Cu 真鍮(黄銅) Cu + Zn(亜鉛) 金色・加工性良好 青銅 Cu + Sn(錫) 赤みがかった茶色・耐摩耗

真鍮(黄銅)とは

真鍮はCu-Zn合金(銅+亜鉛)です。JIS規格ではC2600(亜鉛30%)・C2800(亜鉛40%)など亜鉛量によりグレードが分かれます。亜鉛が増えると強度が上がりますが、30〜40%を超えると脱亜鉛腐食のリスクが生じます。

グレード(JIS)Cu (%)Zn (%)別名主な特徴・用途
C210094〜96残部丹銅赤みが強い・装飾
C260068.5〜71.5残部七三黄銅深絞り性最高・弾薬莢・端子
C270063〜67残部六四黄銅汎用・展延性良好
C280059〜63残部六四黄銅(高Zn)高強度・コスト最安
C360457〜61残部+Pb 1.8〜3.7%快削黄銅快削性最高・水栓・継手

青銅とは

青銅はCu-Sn合金(銅+錫)です。JIS規格ではCAC(銅合金鋳物)系列に多く、りん青銅(C5191など:Sn+P添加)・アルミニウム青銅(Sn→Alに変更)なども広義の「青銅」系列です。

種類主成分JIS代表特徴主な用途
錫青銅(砲金)Cu-Sn 8〜12%CAC406耐食性・鋳造性バルブ・ポンプ・美術
りん青銅Cu-Sn-PC5191ばね性・耐摩耗ばね・摺動部品・端子
アルミニウム青銅Cu-Al 8〜11%CAC701高強度・耐摩耗歯車・軸受・金型
ベリリウム銅Cu-Be 2%C1720最高ばね性・高強度精密ばね・コネクタ

真鍮 vs 青銅(錫青銅)性能比較

真鍮と青銅の主要な違いまとめ

項目真鍮(黄銅)青銅(錫青銅)
主な添加元素Zn(亜鉛)Sn(錫)
外観の色金色〜黄色赤みがかった茶色〜褐色
引張強さ300〜450 N/mm²170〜300 N/mm²(鋳物)
展延性・加工性非常に高い(圧延・絞り)低め(鋳造品が多い)
耐摩耗性中程度高い(特にりん青銅)
耐海水性中(脱亜鉛腐食に注意)高い
コスト比較的安価やや高い(Sn高価)
代表用途水栓・バルブ・継手・装飾バルブ内部品・軸受・ばね

JIS・海外規格対応表

JIS(真鍮)ASTMJIS(青銅)ASTM
C3604(快削黄銅)C36000C5191(りん青銅)C51900
C2600(七三黄銅)C26000CAC406(砲金)C83600

用途別カード

水栓・バルブ本体(真鍮C3604)

快削黄銅の切削性の高さと耐食性を活かした水道用バルブ・水栓の定番材料です。

楽器(真鍮C2700)

トランペット・トロンボーン。適度な剛性と振動特性・金色の外観が楽器に最適です。

ポンプ・バルブ内部品(砲金CAC406)

海水・薬液を扱うポンプのケーシング・ロータ。錫青銅の耐海水性が必要です。

精密ばね(りん青銅C5191)

コネクタ・スイッチのばね接点。高いばね性と疲労耐久性がりん青銅の特徴です。

まとめ:真鍮と青銅で押さえておきたいこと

  • 真鍮(黄銅)はCu+Znの合金で、金色・高加工性・低コストが特徴。水栓・バルブ・楽器に使われます。
  • 青銅はCu+Sn(錫)が基本で、耐摩耗性・耐海水性に優れ、バルブ内部・軸受・ばねに使われます。
  • 現代では「青銅」にはりん青銅・アルミニウム青銅など錫以外の添加元素を含む系列も含まれます。
  • コストは真鍮 < 青銅(錫が高価)の関係があるため、機能上問題なければ真鍮を選びます。

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