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TASUICHI-BITO Vol.3 (後編) 最近気づいた、お茶とお菓子の素敵な関係。 TASUICHI-BITO Vol.3 (後編) 最近気づいた、お茶とお菓子の素敵な関係。

おいしいお菓子のそばには、必ずおいしいお茶があると長田さん。お茶とお菓子を楽しむ時間は、毎日の暮らしを豊かにします。つい最近訪れたインドで改めて、その魅力に気づいたと言います。彼らの国の日常に溶け込んだお茶の文化にヒントを得て、長田さんのお茶の時間は、日々ますます進化しています。

お茶とスパイス&ハーブが一体になって生活に密着しているインドでお茶観が変わった! お茶とスパイス&ハーブが一体になって生活に密着しているインドでお茶観が変わった!

「今年の初夏にインドへ行ってきたんです。初インドに不安もあったのですが、行ってみたら発見の連続。不安は吹き飛びました。家庭に伺って普段のお菓子やお料理を教わるのがテーマ。スパイスやハーブの使い方が、とにかく巧みで感心しました」訪ねたのは南インド。朝から晩までカレーだが、旅の間ずっと飽きる事はなかったと言います。「しかも、お茶をよく飲むんです。茶葉を惜しまず使って、スパイス&ハーブもたっぷりのチャイを淹れてくれるんですが、それが生活に密着している。スパイスやハーブの働きで胃が軽くなったり体がスッキリする。お茶って、すごいなあと思いました」これぞ、まさに食養生。漢方に通じるものを感じたと言います。「日本でも、こんな風にお茶が身近に感じられるといいなあと思って。以来、お茶がとても気になってます」 

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カシューナッツ、カルダモン、シナモン、サフラン、乾燥した生姜、リコリスなど。旅先のインドで買ってきたスパイス&ハーブ。

スパイスやハーブ、炭酸と合わせても。日本茶、緑茶をもっと自由に楽しみたい。 スパイスやハーブ、炭酸と合わせても。日本茶、緑茶をもっと自由に楽しみたい。

もともと、お茶は好きでよく飲んでいたと長田さん。「コーヒーは好きだけど、たくさんは飲めないんです。でもお茶だと、いくらでも飲める。不思議ですよね。だから自分で楽しむのもお客さまに出すのも圧倒的にお茶。私にとって、お茶は必需品」ただ、日本茶は香りや味わいが繊細なことと、約束事が多い印象から少々ハードルが高かったそうです。「ちょっと緊張感があって遠ざけていたところがあったんですけれども、今回の旅で見方が変わりました。せっかく自分の国に素晴らしいお茶があるのに知らないのはもったいない、と。“緑茶はこうあらねば”という思い込みに縛られず、自由に楽しんでみようかなと思っています」シナモンやリコリスなどのスパイスや、フレッシュバジルやミントなどのハーブを合わせるなど、茶葉との相性を楽しむのもいいし、緑茶を濃く出してシロップとしてデザートと合わせてみてもおもしろいと言います。長田さんの前には、緑茶の可能性が無限大に広がっています。

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キッチンの隣のダイニングは海外アンティークの家具や調度を配した心地よい空間。ここで喫茶イベントや教室も開催。

お茶もハーブも蜂蜜も。丁寧に作られた本物に出会うと、もう後戻りできません。 お茶もハーブも蜂蜜も。丁寧に作られた本物に出会うと、もう後戻りできません。

長田さんが“たすいち”なアイテムとしてあげてくれたのが、大分のハーブ園から送られるハーブと、長野で地元の住民とともにお世話している日本ミツバチの蜂蜜。「ハーブは家族経営でオーガニック栽培を手がける〈大神ファーム〉からフレッシュな状態で届くんです。ローリエは毎年クリスマスの頃にリースの形で。届いたら、キッチンに飾りながら乾燥させて、必要な分をちぎって料理に使ってます」ローリエはフレッシュな時、お湯を注いでハーブウォーターに。これを緑茶と合わせてみても、と長田さん。「あとね、これはローリエのリースですけれども、お茶の木でリースを作ってもおもしろいんじゃないかな。お茶畑の見える場所でワークショップしても楽しいですね。お茶を栽培なさっている方が、普段お茶とどんな風に付き合っていらっしゃるか、お話もうかがっていたいです」蜂蜜は、最初はバースデイケーキにさすキャンドルをナチュラルなミツロウで作ってみたいという企てから生まれたもの。「“養蜂女子部”に参加させてもらって、長野の地元の方々と一緒にミツバチを育てているんです。実際に蜜を運んでくる蜂たちを見ていると、もう愛おしくて。こうやって生まれるものなんだとわかると一滴たりともおろそかにできません」そんな気持ちで全ての素材に向き合う長田さんの作るお菓子だからこそ、人の心に届くのに違いありません。

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オーガニックな栽培のローリエと長野で長田さん自ら採蜜した蜂蜜。どちらも自然と人との共生のもと育てられたもの。
  • 長田佳子さんの写真
長田佳子さん

おさだかこ/フランス菓子店やカフェでの修業を経て、ファッションブランド〈YAECA〉のフード部門〈PLAINE BAKERY〉で開発・製造を担当。2015年に菓子研究家として独立し、〈foodremedies〉を立ち上げる。お菓子教室やカフェイベントなど開催するかたわら、雑誌などにレシピを提供。著書に『foodremediesのお菓子』など。〈foodremedies〉のお菓子は、外苑前「doinel(ドワネル)」で月1回、ギフト仕様で取り扱い(内容は毎月変更)。

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